【何で「合わせる」の?】

吹奏楽の指導

皆さんこんにちは、小崎音楽教室代表の小崎です。

今回の記事のテーマは、

【合わせる】

についてです。

無伴奏のソロばっかりやっている人でない限り、

必ず他の奏者と何かしら合わせる、

ということが出てきます。

ざっくりとその合わせる要素を挙げていくと、

次のようなものが出てきます。

音楽における他の奏者と「合わせる」要素例
・音程

・リズム

・テンポ

・音圧

・ダイナミクス

・アーティキュレーション

・音楽の方向性

・奏法

etc…

こういった要素があるのですが、

僕の経験上、

中学・高校の吹奏楽コンクールに出ている学校、

その中でも特にコンクールに力を入れている学校ほど、

「合わせる」

という意識を強く持っている傾向があります。

プレイヤーである部活の生徒さんたちももちろんその意識が強いのですが、

それ以上に感じるのは、

その生徒さんたちを指導する先生・外部講師の方たちが、

「合わせる」

という意識を強く持っている、

ということです。

その中で、

合わせる要素として、

音程やテンポ、縦のライン、アーティキュレーションを重点的にやっている団体が多いです。

僕がそういった学校・楽団に行っていつも強く感じるのが、

合わせよう!

合わせなきゃ!!

合っていないとダメ!!!

合わないから自分たちはダメなんだ、、

というパターンにはまってる人が多い、

ということです。

なぜこうなってしまうのか??

それは、

音程や縦のライン、アーティキュレーションなどは、

単純に合ってる・合ってないの判断がしやすいから、

そこに意識がいきがちになるのです。

学校で部活を指導されてる先生方も、

自分の業務がある中で、

部活の指導も行っています。

そのため、

手っ取り早く「合ってる・合っていない」の指摘ができる、

音程や縦のライン、アーティキュレーションといった要素に目がいくのだと感じています。

それらの要素を合わせることは、

たしかに大切なことです。

でも、

それ以上に大切なことがあります。

それは、

今取り組んでいる合わせる要素の課題がクリアになった先に何があるのか?

ということです。

先日、クラリネットを吹いている高校生とこんなやり取りがありました。

高校生

「音程が全然合わないので、そこをパートで合わせる練習をしています」

小崎

「音程が合ったら、その先は何をやりますか?」

高校生

「縦のラインを揃えます」

小崎

「縦のラインが揃ったら、その先はなにをやりますか?」

高校生

「他のパートとの合わせですかね?」

小崎

「じゃあ他のパートとの合わせの後は、なにをやりますか?」

高校生

「んーー、わからないです」

小崎

「わかりました。質問を変えますね。音程を合わせる話に戻りますが、なんで音程を合わせるのですか?」

高校生

「合ってないと気持ち悪いから?他のパートに迷惑もかかるし、、」

こういったやり取りです。

このやり取りを見ていくと、

高校生の生徒さんは、

合わせる要素やその順序は明確になっているが、

その合わせる目的が不明確

だということがわかります。

このやり取り、

レッスンをしてると結構な割合で出てきます。

ぼくの経験上、

「合わせる」ということに意識がある人ほど、

「合わせる」ことだけにとらわれてしまい、

そもそもなぜ合わせているのか?

という目的を忘れてしまうことが多い傾向にあります。

なので、

そもそも何のために「合わせる」ことをやってるんだっけ?

ということを意識するだけで、

「合わせる」練習のクオリティや集中力が一気に上がることがあります。

・今やっている「合わせる」練習は何のためにやってるのか?

・今やってる「合わせる」ができた先に、どんな音楽が待ってるのか?

みなさんも、

この2つを意識しながら「合わせる」練習してみて、

変化を楽しんでみてください。

「合わせる」ということは、

あくまで音楽をやるための手段でしかないので、

「合わせる」のが目的になってしまわないように意識してみてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

何か感想・ご意見等ありましたらメッセージよろしくお願いします。