みなさんこんにちは、音楽指導者・指揮者 の小崎です。

前回、【楽曲分析ってナニ?】ということでお話を進めてきたのですが、
いざ「楽曲分析をやるぞー!」ってなって、実際にこんなことが起こります。
・情報収集の時間が足らない
・情報が多くなりすぎて迷う
・いつのまにか情報収集自体が目的になってしまっている
・途中でイヤになって挫折する

こうなっちゃうケースがとても多いです。
なぜこうなってしまうかというと、
音楽に終わりがないように、
楽曲分析にもまた終わりがないからです。
じゃあどうしたらいいのか?
そのヒントは、
・行動心理学
・ビジネスの世界で出てくるマーケティングのある手法
にありました。
行動心理学・そのマーケティングの手法を、
音楽の楽曲分析に応用することで、
とても『シンプルな楽曲分析』ができるようになります。
というふうに紹介していました。
ということで、今回はその『シンプルな楽曲分析』をするための考え方を見ていきます。

チェリスト・指揮者として20世紀に活躍した、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチが次のような言葉を残しています。

わたしたち音楽家にとって、
一番大切なことは、
作曲家が音楽をつくったときの感情を再現することです。
作曲したとき楽しかったのか、悲しかったのか…。
音楽には何か希望が託されているのかもしれない。
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
そうなんです。
作曲家もヒトなので、みんな【感情】を持ち合わせています。

というわけで今回のブログのタイトルの、
【楽曲分析でまず考えるのは作曲者の〇〇】
この〇〇に入るのが、
〇〇 = 感情
でした!
まず考えていくのは作曲者の【感情】ということなのですが、
これは、
行動心理学の観点から見ていくとわかりやすいです。
行動心理学の考え方の中に、
必ず何らかの【感情】が伴っている
というのがあります。
【行動】と【感情】はワンセットで考えます。

例えば、今あなたはスーパーに買い物に来ているとします。

買い物をしているとアナウンスが入り、

「ただいまから夕方のセール!対象品は全て30%オフ!」
あなたはこのアナウンスを聴いて、

『安いうちに買わなきゃ!』
(↑①【感情】が動く)
そして実際にその商品を手に取り、レジに向かいます。
(↑②【行動】する)
お会計をしているときに、あなたはこう考えます。

『ちょうどこれが欲しいと思ってたのよね。』
(↑③【感情】・【行動】に対して正当な理由づけを無意識に行う)
どうでしょうか?
実際にこういったことを経験したことはありませんか?
続いて【行動】して、
最後に【感情】・【行動】に対して正当な理由づけを無意識に行います。
ここでポイントなのは、理由づけは無意識に行われるということです!
脳の性質上、行動と感情が矛盾していると、
その整合性を取ろうとするので、
無意識に(勝手に) 正当な理由づけをします。
なので、理由づけを初めから考えてもあまり意味がないということ。
音楽に置き換えて考えていくと、
『なぜ作曲家はこの曲を書いたのか?(理由づけ)』
をいきなり考えても答えが出ないということです。
なので、一番大事なことは、
作曲家がどんな【感情】に導かれて、
作曲するという【行動】に至ったのかを知ること。
つまり、
作曲したときの【感情】を知ること。
これがスタートラインになります。

その理由は先ほどもお伝えした通り、
【感情】と【行動】はワンセットで、
ヒトは【感情】に動かされて【行動】する生き物
だからです。

つまり、
徹底的に作曲者目線で【感情を感じるチカラ】
が必要になってきます。
この作曲者の感情を読み取ることができるようになると、
脳は【感情】と【行動】の矛盾を嫌がって、
整合性を取ろうとして無意識に曲の理由づけをしてくれます。
じゃあ具体的にどうすれば徹底的に作曲者目線で【感情を感じるチカラ】を高めることができるのか??

そのヒントが、
・ビジネスの世界で出てくるマーケティングのある手法
にありました。
ということで、次回はいよいよ具体的な『カンタンな楽曲分析のやり方』を紹介していきます。
そのために、
ぜひこの考え方を意識してみてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
何か感想・ご意見等ありましたらメッセージよろしくお願いします。