【指揮者1人では音楽できない】

吹奏楽の指導

 

みなさんこんにちは、音楽指導者・指揮者 の小崎です。

 

今回は【指揮者1人では音楽できない】というお話をしていきます。

このお話は、

・親と子ども

・会社組織の上司と部下

・監督と選手

etc…

いろんな場面に置き換えて考えることができる内容です。

 

まず、野球に例えて話をしてみると、、、

 

今、あなたは野球の監督をしています。

 

野球の監督であるあなたが、

今打席に立っている選手にバントのサインを出しました。

しかしその選手がサインを無視して、

自分が打ちたいように打ちました。

 

しかし、あなたはそのプレーそのものをコントロールすることはできません。

なぜなら、

プレーしているのは選手であり、

野球の監督は実際にプレーしていないからです。

 

この構図、指揮者と演奏者の関係と全く同じなのです。

 

指揮者がリハーサルや練習のときに、

“その箇所はもっと弱く演奏してください”、

と指示していたとしても、

本番で奏者が好きなように演奏したら、

指揮者はそれをコントロールすることができません。

なぜなら、

音を出すのは演奏者であり、

指揮者は音を出さないからです。

 

結局、音楽を作り上げていくのは楽器ではなく、

その楽器を演奏する一人ひとりの異なる考えや意思を持ったヒトです。

 

 

何よりも、オーケストラのメンバーたちが

『この指揮者と一緒に音楽をしたい』

と思えるかどうかが、指揮者の条件としてはより本質的な要素になる。

その部分でのごまかしはいっさいきかない。

佐渡裕

 

指揮者の佐渡裕さんが言っていること、

本当にその通りだと思います。

 

小崎と一緒に音楽したい。

小崎が言うなら一緒に演奏してやろう。

小崎が言うならやってやろうじゃないか。

 

こういった人間力・信頼関係の上に音楽が成り立つということです。

 

これは、冒頭でお話しした、

・親と子ども

・会社組織の上司と部下

・監督と選手

etc…

という関係性の中でも同じことだと考えています。

なぜなら、僕はこれら3つの関係を全て経験したことがあるからです。

 

打ち込みの音楽(DTM)を除くと、

「音楽はヒトが生み出します。」

 

僕自身、ヒトのことが大好きなんです。

小さい頃から他人と話したり、

教えあったり、

一緒にスポーツしたり、

一緒に音楽を創ったりと、

とにかくたくさんの人と何かをするのが

昔から大好きでした。

 

吹奏楽やオーケストラでは、小編成だと15名から大編成になると100名をこえます。

僕自身、小編成から100名をこえる大編成まで様々な規模の楽団を指揮してきました。

人数が増えると、

確かに練習の進め方やリハーサルの流れなど、

細かなところはかわりますが、

 

本質的な部分は全く変わりません。

 

その本質的な部分というのは、

 

演奏しているヒト全員と一緒に1つの音楽を創り上げる

 

ということです。

 

指揮を振って演奏者のみんなと音楽を創っていく中で、

どんどんと人間性や技術が磨かれてきました。

 

結局、以前お話した部分とかぶるところも出てくるのですが、

 

いい音楽をしようとなると、


演奏者一人ひとりの能力を引き出すこと


が大きなポイントになります。

 

【 ヒトの能力を引き出すこと = 教育 】

なので、

今でもずっとこのヒトの能力を引き出すための勉強を続けています。

 

音楽の場合、わかりやすいのが、

楽器は拡声器の役割をしてくれるので、

能力が引き出されたかどうかは、

すぐに音となって現れます。

 

だからこそ僕自身が音楽の現場で、

たくさんのヒト(演奏者・生徒・スタッフさんなど)を通じて育てられ、

そして磨かれてきました。

指揮者1人では音楽できません。

演奏者一人ひとりを、

「楽器として見る」のではなく、

『ヒト』として向き合う。

そうして、

演奏者一人ひとりの能力が引き出されて、

化学反応が起きて作られた音楽は、

本当に素晴らしい!

 

その素晴らしい音楽を、

一回でも多く創ることができるように、

一人でも多くの人に届けられるように、

これからも自分を磨いていきます。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

何か感想・ご意見等ありましたらメッセージよろしくお願いします。