みなさんこんにちは、音楽指導者・指揮者 の小崎です。
音楽指導者の方や親御さんから、よくよく相談されることなのですが、

「生徒や子どもたちのためにどういった関わりをしたらいいですか?」
「生徒や子どもたちのためにどういった教育をしたらいいですか?」
「生徒や子どもたちのためにどういった指導をしたらいいですか?」
どの現場に行ってもほぼ100パーセント相談されることです。
そして相談された時に、僕自身が感じていたことが、
『そもそも教育と指導の違いって何だろう?』
ということでした。
ということで、今回は、教育現場や音楽レッスンの中でよく耳にする『教育と指導』について考えていきます。
まず、『教育』なのですが、辞書的な意味を見てみると、
『教育』とは、
教え育てること。
知識、技術などを教え授けること。
人を導いて善良な人間とすること。
人間に内在する素質、能力を発展させ、これを助長する作用。
人間を望ましい姿に変化させ、価値を実現させる活動。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
それに対して『指導』なのですが、同じように辞書的な意味を見てみると、
『指導』とは、
ある目的・方向に向かって教え導くこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
とあります。
次に、それぞれの英語を見ていくと、
『教育』= education
という単語になります。
この education を分解していくと、
educe = 能力を引き出す
-tion = こと
つまり、
となります。
それに対して、『指導』は、
『指導』 = leadership
という単語になります。
この leadership を分解していくと、
lead = 導く
-er = 人
-ship = ~状態、立場、能力
つまり、
となります。
このようにみていくと、
【 教育 = 能力を引き出すこと 】なので、
教育を受ける側の自発的な成長を期待するものであると言えます。

それに対して、
【 指導 = ヒトを導く状態 】なので、
指導する側に、何かに向かってヒトを導くという明確な意図があるため、
指導を受ける側に、意図的な成長を促すものであると言えます。

内的 〉 外的
(*長期的な視点)
◯ 指導 = 意図的成長を促す
内的 〈 外的
(*短期的・中期的な視点)
カンタンにまとめるとこうなるのですが、
これを吹奏楽に例えて考えてみると、

・演奏者一人ひとりの音楽の能力を引き出す
・どんな音楽を自分がしたいのか?
・誰に音楽を届けたいのか?
・音楽の喜びを自らの経験から見出す
・自分で考えて練習する
・演奏技術の向上
・集団(楽団)のルール・規則を学ぶ
・楽譜という制約の中で何をするか考える
・集団の中で、1つのゴールに向かって創り上げる
教育と指導のどちらとも必要なものです。
僕自身が、吹奏楽やオーケストラの楽団で指揮を振ってきて確信があるのは、
音楽を通じてそれぞれの演奏者、
そしてお客さんに対して、
勝手に『教育』と『指導』が行われて、
人間形成・人格形成が成される
ということです。
僕がやっていることは、
人間形成・人格形成という【目的】のために、
音楽という【手段】を使っている
といえるかと思います。
『教育には時間がかかる』
でも、その人それぞれの能力を引き出す【教育】というものが、僕は大好きです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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